※ 前文は、「政府の行為」によって[戦争の惨禍が起こる]とする。ここでいう[政府]とは、行政府を指す狭義のものではなく、立法府や司法府をも含む統治機関全体を含む広義のものを指すと解される。すなわち、主権者たる国民との対比において、その信託に基づいて国政を行う国家機関全体を指しており、その政府に戦争の惨禍を起こさせないようにすることを、国民が決意する、という論理構造になっている。
ここで示された考え方は、第2段落の平和主義原理と結びついている。(新・コンメンタール憲法 木下智史・只野雅人[編]日本評論社)